AI-900 : Microsoft Azure AI Fundamentalsを受験し、無事に合格したのでその合格体験を記します。
今回は、AI関連の超基礎的な資格としてエントリーしました。
実用につなげるためには上位資格の取得は必須だと思っています。
Microsoft Azure AI Fundamentals:AI-900 とは
AI時代、DX時代にAIを活用できることは重要です。
AIについてわからないとどこでAIを活用すればよいかもわからず、知らない間に収益のチャンスを失ってしまうことも考えられます。無知ほど怖いものはないのです。
今回、自己投資の一つとしてAI資格にチャレンジしました。副業の収益アップにつながると思ったからです。
まずは入門資格であるMicrosoft Azure AI Fundamentals AI-900に合格したので、その合格体験をつづります。
AI-900 試験概要
おさらいになりますが、MicrosoftのAzureのサイトには
- AI ワークロードと考慮事項
- Azure での機械学習の基本原則
- Azure のコンピュータ ビジョン ワークロードの機能
- Azure の Natural Language Processing (NLP) ワークロードの機能
- Azure の会話型 AI ワークロードの機能
を説明できることを証明すると記載があります。
AI分野の基本的な仕組みについての理解とMicrosoftが提供しているAzureについての商品・サービス理解についての構成です。
Paythonなどプログラム言語の使用は不要で、知識のみを問う資格です。
- 出題形式:CBT形式
- 合格点:700点/1000点
- 試験時間は60分
- 受験費用 12,500円
合格に向けての試験対策
Microsoft Azure Fundamentals AI-900はAI関連の資格の中でも基礎的な資格です。
逆にいうと簡単すぎて、AI-900専門の対策本や対策サイトなどはあまりありません。WEB上のサービスはいくつかありましたが、怪しげなものが多い印象です。
Microsoftが無償で提供しているMS Learnを使用し対策に取り組みました。
MS Learnは、様々なモジュールが用意されており、それぞれに資格に必要なものを組み合わせ学びます。
その組み合わせをラーニングパスと呼びます。
AI-900のオススメのラーニングパスは以下の内容です。
公式のラーニングパスにいくつか出題のある「責任あるAI」のラーニングパスを追加しました。
前半はAIの概論を学んだ後、各機能の各論を抑えています。
各論の中にはAI-900の出題範囲を超えるものもありますが、ここまでやっておけば合格確実です。
AI-900 合格へのオススメ ラーニングパス
- Azureで人工知能を使ってみる
- Azure Machine Learningを使用したコードなしの予測モデルの作成
- Microsoft Azureでのコンピュータービジョンを調べる
- 自然言語処理について調べる
- Conversational AIを調べる
- ただ、上では不十分な項目もあり、オリジナルの組み合わせで試験対策を行いました。
- 実施したモジュールは以下のとおりです。
- AIテクノロジの概要
- AzureでAIの使用を開始する
- Azure Machine Learningで自動機械学習を使用する
- Azure Machine Learningデザイナーを使用し回帰モデルを作成する
- Azure Machine Learningデザイナーを使用し分類モデルを作成する
- Azure Machine Learningデザイナーを使用しクラスタリングモデルを作成する
- Computer Visionサービスを使用して画像を分析する
- Custom Visionサービスを使用して画像を分類する
- Custom Visionサービスを使用して画像内の物体を検出する
- Faceサービスを使用した顔の検出と分析
- Computer Visionサービスを使用してテキストを読み取る
- Form Recognizerサービスを使用した領収書の分析
- Text Analyticsサービスを使用してテキストを分析する
- 音声の認識と合成
- テキストと音声を翻訳する
- Language Understandingを使用して言語モデルを作成する
- QnA MakerとAzure Bot Serviceを使用してボットを作成する
- 責任あるAIの基本原則を確認する
- 責任あるAIの管理プラクティスを特定する
- 責任あるAIを実現するためのMicrosoftのプラクティスの紹介
- 責任ある対話型AIを開発するためのMicrosoftのガイドラインを知る
以上、21モジュールを組み合わせたラーニングパスです。
合計で13時間半ほどありますが、やらなくてよい部分もあるので、実際はもっと短い時間で終えることができます。
AI-900の範囲では実際のAzure操作は出てこないため、各論の中にある実際にAzure Portalを使用したモデル作成のところは飛ばして、テキストベースの知識優先で学ぶようにしました。
サービスの理解にはつながるので、余裕がある方は実際にAzureを使用しての演習にもぜひチャレンジください。実際に触ってみるとイメージしやすくなり役立つと思います。
でも、有料であることと、試験には出ないので本当余裕がある方や興味がある方だけでOKです。
勉強で押さえておくべきポイント
評価されるスキルについて公式サイトに記載がありますが、出題のボリュームは以下のとおりです。
- AIワークロードと考慮事項について説明する 15-20%
- 機械学習の基本原則について説明する 30-35%
- コンピュータービジョンワークロードの機能について説明する 15-20%
- Natural Language Proccessing(NLP)ワークロードの機能について説明する 15-20%
- 会話型AIワークロードの機能について説明する 15-20%
特に「機械学習の基本原則」の出題が多いことがわかります。この範囲で取りこぼしが無いように学習することが大切です。
また、上記に加え、「責任あるAI」について押さえておくことも重要です。
学んだ中で整理した情報を以下に記載します。すべてではないですが、ぜひ活用ください。
AI-900 資格対策でまとめた内容
試験対策を行う中で大事なポイントをまとめました。
MS Learnのラーニングパスに取り組むだけで十分ですが、ベースはMicrosoftが作成した英語のページのため、少し読みづらいところがあります。
以下のまとめを参考に読み進めてもらうと少しは役立つかと思います。
試験対策にぜひ活用ください。
AzureのAI機能
AIの基礎知識を問う資格であると同時にMicrosoftのサービスであるAzureについての理解を問う資格でもあります。
対策として、ワークロード(機能)とAzureの各サービスの組み合わせを理解しておくことが大切です。
ワークロード | Azureのサービス | 詳細なサービス名 |
対話型AI | Azure Bot Services | QnA Maker Azure Bot Services |
異常検出 | Cognitive Services | Anomaly Detector |
Computer Vision | Cognitive Services | Computer Vision Custom Vision Face Form Recognizer |
自然言語処理 | Cognitive Services | Text Analytics Translator Text Speech Language Understanding(LUIS) |
機械学習 | Machine Learning | 自動ML / デザイナー |
責任あるAI
「責任あるAI」は必ず難問か出題されます。
基本的には一通り目を通しておけば、道徳的に、倫理的にまともな答えを選べば正解できる問題が多いです。
試験前日に「責任あるAI」に関するMS Learnのラーニングパスに目を通し動画を視聴しておくだけで良いです。
動画を見て大体の内容を理解しておけば、あとは常識の範囲で答えれば正解になることが多いイメージです。
MS Learnに記載のある具体的事例についての問題も出題されましたので余裕があればMS Learnもしっかり読んでおくと取りこぼしがないです。
項目 | 内容 |
公平性 | 特定のグループに不当な優位や不利益を与えない |
信頼性と安全性 | エラーなく安全確実に実行されること |
プライバシーとセキュリティ | ビックデータを扱う上で個人情報をもらさない |
包括性 | 社会のすべての人に利益をもたらす |
透明性 | 目的や仕様、制限をユーザーが認識できる |
アカウンタビリティ | AIを作った人に責任がある |
機械学習
回帰(Regression)
数値を予測するAI
答えのある教師あり学習
回帰モデルの評価は
- 平均絶対誤差
- 二乗平均誤差
- 相対二乗誤差
- 相対絶対誤差
- 決定係数R2
がある
誤差は小さいほど良い、決定係数は大きいほど良いと覚える程度で良いです。
分類(Classification)
どれに該当するかを予測するAI
答えのある教師あり学習
分類モデルの評価は、混同行列(Confusion Matrix)
- Accuracy(精度・正解率)
- Precision(適合率)
- Recall(再現率・真陽性率)
ROC曲線・AUCという単語もよく出るので覚えておくと良いです。
言葉だけでなく、グラフの形とセットでイメージで覚えてしまいましょう。
クラスタリング(Clustering)
コンピューターに指示したグループ数にグループ分けさせるAI
答えのない教師なし学習
重心を設定するとその数のグループ数に分類してくれるAIです。
Microsoft Azure AI Fundamentals AI-900に合格した感想
AIの基礎的な資格ということで2日ほどの勉強で取得することが出来ました。
満点を目指していたのですが、930点と少し取りこぼしがあったのが残念です。
会社員の通勤時間や主婦の方の隙間時間を利用したの勉強なら1週間ほどあれば十分勉強できる容量です。
出題数の多い「機械学習」のラーニングパスをしっかり理解することが試験対策のポイントです。
あとは、「責任あるAI」について直前にラーニングパス内の動画を視聴しておくことを勧めます。
基本的には常識を問う問題なので、道徳的・倫理的にまともな選択肢を選べば間違うことはありません。念のため動画を見て、言葉の意味を理解しておくでOKです。
AI-900は、機械学習をはじめとするAIの基本的な仕組みの理解とMicrosoftが提供するAIのサービス理解として入門の資格です。さらに勉強してAZ-900、DP-900と広げていくことも可能です。
様々な副業があり、それぞれに妥当な利益率があります。例えば、投資においては、世界の投資家ウォーレン・バフェットでさえ年利20%が限界です。
では、どの方法がもっとも良い方法なのか?
その一つは自己投資です。自己投資は利益率の制限がなく、何倍にも大きくなる可能性があります。
AI時代、DX時代にAIの仕組みを理解し活用できる人材になるために自己投資として、ぜひチャレンジしてみてください。
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